福祉の仕事を目指している方へ(各専門職のしごと紹介)
訪問介護事業所 みたらの杜 勤務
訪問介護員
齋藤 あゆみ さん



委員会 : 齋藤さんの仕事の内容を教えて下さい。
私は、在宅生活を送られている高齢者や障害者宅に訪問させていただき、掃除や洗濯、調理などの生活援助や、食事や排泄、入浴介助等の身体介護を行い、利用者様が住み慣れた環境で自立した生活を送る事ができる様に支援されていただいております。また、利用者様やご家族様の心配事、相談事を聞き、助言やアドバイスをさせていただく事もあります。一訪問で60分間が殆どでその短い時間の中で柔軟にきめ細かい対応を心掛けております。
委員会 : この仕事を選んだ理由を教えてください。
この仕事をする前、知人のお手伝いで車椅子の方の外出介助に同行した事がありました。温泉入浴やレストランでの食事を行い、外出の時間はあっと言う間に時間が過ぎてしまった事を覚えております。
その方は久しぶりの外出だったらしく、本当に嬉しそうな表情をされ、その日初めて会った私に何度も何度も感謝の言葉を掛けてくれました。その感動が忘れられず、「人と関わる仕事の魅力」に興味を持ちました。
ですが、私はもともとコミュニケーションが苦手で、人と関わる仕事が務まるのか不安でいっぱいでした。それでもあの時のその方の言葉と笑顔が忘れられず、気づいた時には訪問介護の仕事に就く為の資格を取るための勉強をしておりました。
私にこの仕事をするための切っ掛けを与えてくれた知人の方からも「絶対に私に合っている仕事だよ。」と背中を押してくれたのも理由の一つですね。
委員会:今のしごとでのやりがいを教えてください。(エピソード等を含めてお話し下さい)
やはり、利用者様やご家族様から感謝されたり、喜んで頂ける事、信頼関係が出来たと実感できる事も「やりがい」の一つですね。以前、訪問させて頂いた方の入浴介助を行う際に、どうしてもお風呂に入りたくない利用者様がおりました。「どうやったら、安心していただいてお風呂に入ってくれるのか」と毎日悩んだ事がありました。その利用者様の援助に伺う度に、その方の様子や体調を見ながら、焦らずに根気強く関わり持ちながら数カ月が経ちました。そう、私の苦手としているコミュニケーションです。 「今日もお風呂に入ってくれないだろうな。」と思いながら、意を決して「今日は天気も良く暖かいのでお風呂に入ってみませんか?」と声を掛けてみたところ「じゃあ、お風呂に入ってみるか!」とニコリと笑顔を見せてくれたのです。
飛び上がる程、嬉しかった事を今でも鮮明に覚えております。
その方の自宅のお風呂には手摺りや福祉用具もなく、その中での入浴介助でしたので、とっても大変でしたが、入浴を終えると「気持ち良かった。ありがとね!」と最高の笑顔で声を掛けられ、喜びと達成感で胸がいっぱいになりました。
失敗する事も多々ありますが、このような経験が自信に繋がり、今の自分があるのだと思います。
委員会 : ズバリ、福祉の仕事の魅力とは何ですか?(素晴らしさを教えて下さい)
「介護の仕事」をしていると言うと、誰もが口を揃えて「大変だね!」と言います。
難しい事、大変な事もあります。でも、その苦難の何倍もの喜びや充実感を感じられる事こそ「福祉の仕事の最大の魅力」だと私は思います。
委員会 : 福祉の仕事を目指している方に一言メッセージをお願いします。
実習生と同行訪問する事があります。生徒さんの殆どがコミュニケーションが苦手と言いますが、私もその一人で、今でも初回の訪問先に伺う際には緊張してしまいます。
 最初はぎこちないのは当然で、上手くできなくても利用者様の立場に立ち、思いやりの心を持って接し続けると「ありがとう!」と言う最高の言葉が返ってきます。その言葉で、また頑張ろうと言う気持ちになれます。
 そして、人生の大先輩である利用者様に沢山の事を教えて頂ける仕事です。自分自身が成長できる最高の仕事だと思います。


Copyright © 社会福祉法人 幸清会 All Rights Reserved.