老人福祉法が制定された10年後の1973年4月28日に初代理事長大久保幸治郎によって社会福祉法人幸清会が創設されました。そして、同年11月1日には、虻田郡虻田町(現、洞爺湖町)入江257番地に第1種社会福祉事業の養護老人ホーム幸生園が定員50名で開園し、和衷協同を旨とした幸清会の新規事業が始まりました。
多くのみなさまに支えられながら、本日の4月28日に開設50周年を迎えることができました。心より感謝申し上げます。この記念すべき2023年度は、役職員がこれまでの50年を振り返りながら、澹泊明志、寧静致遠、つまり目先の利益や欲望、感情に左右されることなく、本来のなすべきことを地道に行っていくことを心がけ、これからの50年先も描いていく1年にしたいと存じます。それは、
社会福祉法人幸清会の道標となる基本理念の、


『安(やす)きに居(お)りて危(あや)うきを思い、
至誠(しせい)にして思(し)誠(せい)を尽(つ)くし、
是(ぜ)好日(こうじつ)を成(な)す』


と、経営理念である、

『「穏やかで、楽しい、尊厳ある生活を保障する」
「その人らしい、あたりまえの生活を保障する」

ことをしっかりと噛みしめる、1年とも言えます。
また、社会福祉法人幸清会の事業基盤となる「ケア理念」である、
「専門的な知識と技術を持ち、高齢者にとって望ましい適切なケア環境を整え、たえず適度な刺激を与えることによって、高齢者が持っている健康な能力を引き出すような、そして何よりも、高齢者の自尊心が高められるようなケアを提供する」
ことが法人全体に浸透し、実践できているかどうかを脚下照顧する1年でもあります、
 2023年度は。50周年を超え、さらに2073年度の100周年に向け謹厳実直に第1歩を踏み出す大切な1年となります。今後、外国人技能実習生や特定技能外国人などの外国人材が増加し、福祉・介護の現場で高齢者を支える時代が加速します。外国人材への教育に力を注ぎながら、社会福祉法人としての使命を果たすように、この1年を通して利用者やご家族、地域住民のみなさまに、さらにお役に立てるよう、報恩謝徳の心をもって、2023年4月28日を新たな一歩として踏み出し、効率的で効果的な経営に慎始敬終を心がけて参ります。

令和5年(2023年) 4月28日
社会福祉法人 幸清会
理事長 大 久 保 幸 積

I am the master of my fate. I am the captain of my soul.
〔我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり〕


無財の七施

【和顔施(わがんせ)】
辛いときや落ち込んでいるときこそ、穏やかな顔をすることで、周りの心が明るくなります。
【心施(しんせ)】
他の痛みや苦しみを自らのものとして、真心を込めて行うことで、周りの心が強くなります。
【身施(しんせ)】
少しでも人のために損得を抜きに身をもって行動することで、周りの心が優しくなれます。
【眼施(げんせ)】
優しい眼差しで接することで、周りの心が温かくなります。
【言辞施(ごんじせ)】
言葉遣いひとつで人を傷つけたり、不快にさせます。優しい言葉、思いやりある態度で接することで、周りの心が落ち着きます。
【床座施(しょうざせ)】
自分が疲れていたり、困っていても場所を譲ることで、周りの心が穏やかになります。
【房舎施(ぼうしゃせ)】
自分が多少濡れても、相手に雨がかからないように配慮することで、周りの心が和みます。

『安(やす)きに居(お)りて危(あや)うきを思い、至誠(しせい)にして思(し)誠(せい)を尽(つ)くし、
是(ぜ)好日(こうじつ)を成(な)す』

『居安思危』「安きに居りて危うきを思う」とは、平穏なときにこそ、危機に対処する心構えを持つことを意味しています。
この言葉はさらに『思則有備』「思えば則ち備えあり」心配りをするということが既に備えとなる。
そして『有備無患』「備えあれば患いなし」準備を怠らなければいざという時にあわてずに済むと続きます。この信条によって、幸清会の経営基盤を強固にいたします。
「至誠にして思誠を尽くし」の至誠とは、「誠」を尽くす、すなわち正直な心で、私心を捨てて全力で努力することを意味します。
「至誠にして動かざる者は未だこれあらざるなり」誠意を尽くせば(真心を持ってことにあたれば)、動かされない者はない。
誠を尽くせば、人は必ず心も動かされる。逆に「誠ならずして未だ能く動かす者は有らざるなり」不誠実な態度で事にあたれば、何ものをも動かすことは決してできない。
「誠」をわが身に実現しようと思い、努力することが思誠です。仕事や人間関係が上手くいかないときに「わかってくれない」「動いてくれない」と他人のせいにするのではなく、全ては自分の責任であり「真心」が足りないと思えることが大切です。他人のせいにしても、何の解決にもならないということを理解する必要があります。
人の命に明日の保証はありません。だからこそ「是好日を成す」、穏やかな日々だけが「是好日」ではなく、最悪と思える出来事があっても、今日という日は二度とないので、かけがえの無い一日と考え、最期の日を生きるが如く今日を生き、自分にできることを精一杯行ってこそ、是好日となると考えます。

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