令和5年10月の句

  • 限りある 命に秋の 白き蝶

    ヨネ

  • コスモスの 花に好かれて 立止まる

    千鶴子

  • 大相撲 一日一番 これ人生

    宣男

  • 秋の夜や 五百頁の 歎異抄

    淳二

  • 収穫の 畑に敵の 獣たち

    モトエ

  • 蝦夷大地 土の匂いや 新じゃが

    り子

  • 虫の音に ほっと一息 神無月

    和江

  • 新米や 汗した友に 感謝せり

    榮子

令和5年7月の句

  • 散歩して 暑さしのぎて 友を待つ

    八十枝

  • 老いてなお 心うきうき 里まつり

    久子

  • 新緑の 杣道互 譲り合ふ

    宣男

  • この蟻は 堂堂巡り 迷ってる

    淳二

  • ケアハウス 見渡す限り 青葉山

    モトエ

  • あれこれと 薬味をかえて 冷奴

    り子

  • 手ぬぐいで 馬の汗ふく 父偲ぶ

    日出子

  • 運動会 祈りのとどき 日本晴

    榮子

令和5年6月の句

  • あれこれと ほどほどにして 夏を行く

    榮子

  • 田植え終え 畦道立てば 日は高く

    八十枝

  • 真夏日や 広島熱く G7

    宣男

  • 大滝の 運動会を 見に行こか

    淳二

  • ふる里は 白一色の イモの花

    モトエ

  • なにげない 日々に幸あり 若葉風

    り子

  • 新芽伸ぶ 照る日荒れる日 心にも

    日出子

令和5年5月の句

  • 突然の 友とのわかれ 春の雨

    八十枝

  • 我が心 日々ふくらみて チューリップ

    久子

  • よく似合ふ 大谷君の 武者兜

    宣男

  • 大滝や 急かす遅れて 咲くさくら

    淳二

  • かたい土 押し上げ顔出す 若い春

    モトエ

  • 苗売市 風に呼び止め られしかな

    り子

  • 山抱き 一戸気ままに こいのぼり

    日出子

  • スマホ手に 右往左往の 春たのし

    榮子

令和5年4月の句

  • 福寿草 風に吹かれて 散り果てる

    八十枝

  • 春かすみ 静寂の里 畑けあく

    久子

  • 春はそこ 元気で戻れ おらがボス

    宣男

  • 春風や 列島熱狂 WBC

    淳二

  • 初恋の 夢さめ遣らぬ 九十春

    モトエ

  • 暖かし 窓辺にしばし 針仕事

    り子

  • かかり医の 問の答えや 春眠し

    日出子

  • 梢から 我を呼ぶ如 百千鳥

    榮子

令和5年3月の句

  • 物置の しばれ大根 煮含めて

    八十枝

  • 湯の友と 心ゆったり おぼろ月

    久子

  • 満員の バス着ぶくれの 二人掛け

    宣男

  • よくもまあ 変わる天気や 今霙

    淳二

  • 老ひの冬 やさしい嘘で 丸く生き

    モトエ

  • 頬を刺す 風まだ春に なりきれず

    り子

  • 冴え返る 流れる雲の 速さかな

    日出子

  • つくづくと 下手な世過ぎよ 木の葉髪

    榮子

令和5年2月の句

  • 氷る道 足を滑らし 遊ぶ子等

    八十枝

  • 冬籠り 仕事盛りの 刻思ふ

    久子

  • ひとときの 日差しにさっと マスク取る

    宣男

  • 雪道の 足跡なぞる 歩みかな

    淳二

令和5年1月の句

  • 軒見れば 銀のつららが 剣のごと

    モトエ

  • 老人の 寝返り拒む 厚蒲団

    り子

  • 恵方鮨 方向音痴で かぶりつく

    日出子

  • チュンチュンと 耳をくすぐる 寒すずめ

    榮子

  • 歳重ね 覗きたくない 初鏡

    八十枝

  • ほほかむり す昔の刻を 懐しむ

    久子

  • 巣立ち行く 孫に最後の お年玉/h3>

    宣男

  • 停車場の だるまストーブ ごうごうと

    淳二

  • 年新 気合を入れる 老いの筆

    モトエ

  • 伊達巻の 甘さ加減や 冬暖き

    り子

  • 初日の出 雲を抜き出て 山離れ

    日出子

  • 潺々と 流るる水面  枯尾花

    榮子

令和4年12月の句

  • 潺々と 流るる水面  枯尾花

    榮子

  • 冬紅葉 地に散りなほも 赤々と

    八十枝

  • 雪まとふ 蝦夷富士写す 湖面かな

    喜代子

  • 年の瀬や コロナ恨みの 籠の鳥/h3>

    宣男

  • 霜強し 山もくすみを 増しにけり

    淳二

  • 老いの冬 足腰弱り 口達者

    モトエ

  • 冬の月 出たり消へたり 一人酒

    久子

  • 齢といふ 別の寒さに つまづきぬ

    り子

  • 一房の 葡萄佛前に かがやけり

    日出子

令和4年11月の句

  • しぶ柿や たわわに実る  鹿島町

    榮子

  • 早々と 北の便りは うす氷り

    八十枝

  • 冬来たり 余生まだまだ 学びあり

    喜代子

  • 焼きたての 熱熱秋刀魚 ほろ苦し

    宣男

  • 雨腫れて 裸木映す にはたづみ

    淳二

  • 収穫を 終えて安堵の 餅をつく

    モトヱ

  • 祝膳 賜る齢 文化の日

    久子

  • 秋の暮 藪から狸 親子づれ

    り子

  • 紅葉散る 友と別れの ごと淋し

    日出子

令和4年10月の句

  • 秋分の日 こころ静かに  神仏

    榮子

  • 唄おどり 秋の味覚で 誕生会

    ヨネ

  • 高木より むらさきあはき 山ぶどう

    喜代子

  • 沁み沁みと 尽きぬ眺めの 今日の月

    宣男

  • 秋の蝶 かたみにじゃれて あが膝へ

    淳二

  • 過去よりも 未来短し 敬老日

    モトヱ

  • バイク音 上げる若者 秋惜しむ

    久子

  • せまき庭 秋のささやき 溢れけり

    り子

  • 風に散る 手塩に掛けた 秋桜

    日出子

令和4年9月の句

  • 温泉浴 こりほごさるる 秋の宿

    久子

  • 古里の 青田道行く バスの中

    喜代子

  • 夏の暮れ 気まま暮らしの 一夜漬け

    ヨネ

  • 名も知らぬ 手折りし花に 夏惜しむ

    宣男

  • 日輪も 日陰もうれし 秋の道

    淳二

  • ひまわりに 世界の平和 願い込め

    モトヱ

  • 山肌を 日増しに染める 秋の風

    八十枝

  • 疫禍の秋 路地に洩れくる 野良の猫

    り子

  • もろこしを 演歌聞き惚れ 頬張れり

    日出子

  • 後の世の 憂い尽きせぬ 老人日

    榮子

令和4年8月の句

  • 二度三度 逃げ足早い  蠅追って

    榮子

  • 地に海に 悲し過ぎしの 夏の夕

    ヨネ

  • 万緑の 朝日が登る 東山

    喜代子

  • 一発の 凶弾悔し 夏悪夢

    宣男

  • 雑草の 刈られ涼しき 空き家かな

    淳二

  • 母と行く 野花手折りし 墓参り

    モトヱ

  • 大空に ち切れ雲飛ぶ 処暑の風

    八十枝

  • 初盆や 世を去るにまだ 早き友

    り子

  • カラオケの 席もてなされ かき氷

    日出子

令和4年7月の句

  • 草刈の 音と匂いを 通り抜け

    ヨネ

  • 日焼顔 足腰のばし 畑仕事

    久子

  • 父の日に 孫から届く プレゼント

    宣男

  • バス乗るや 二年半ぶりに 夏帽子

    淳二

  • 反戦の 流血の地に 花はなし

    モトヱ

  • 鎌先に 草絡みつき 蚊遣香

    り子

  • 青田波 畝美しく 曲がりけり

    日出子

  • 恙なき 今日に乾杯 ビール手に

    榮子

令和4年6月の句

  • 感染の 減りゆく先の 夏の夢

    ヨネ

  • 畑に立ち 入道雲を 見上ぐかな

    久子

  • 谷川の 瀬音も霞む 蝉時雨

    宣男

  • 長梅雨の 明けたるここち 外出可

    淳二

  • せせらぎに 心清めの 水芭蕉

    モトヱ

  • 水底は 連ってをり 水芭蕉

    り子

  • 献立に たけのこ飯の メニューあり

    日出子

  • あぶら虫 息をひそめて 葉裏かな

    榮子

令和4年5月の句

  • のんびりと 我が身の手入れ 春ごころ

    榮子

  • 春のうた 唄いて遠き 日を思う

    ヨネ

  • 老夫婦 春耕にほふ 畑に座す

    久子

  • 肴には 苦みがおつさ 蕗の味噌

    宣男

  • 知床は 鎮魂の海 春寒し

    淳二

  • 遠山の 峰に残りし なごり雪

    モトヱ

  • 早ばやと 櫻前せん すぐそこに

    八十枝

  • 辛夷咲く 明日へと続く 空の色

    り子

  • 新茶汲む 夫婦茶碗も 今ひとり

    日出子

令和4年4月の句

  • 春うらら 山点々と 松見ゆる

    千鶴子

  • 古里の うぐいすの声 なつかしき

    喜代子

  • 大雪に 耐えてえぞ松の 力こぶ

    久子

  • 春めきて 古傷疼く 寝起き端

    宣男

  • たまさかに 体調よくて 早や四月

    淳二

  • 人のこと 言った言わぬと 四月馬鹿

    日出子

  • 里遍路 世界平和を 祈りつつ

    榮子

  • 春遠し 泣き叫ぶ声 ウクライナ

    ヨネ

  • 瀬の音に 陽射し集めし 春の水

    り子

  • 春びより 磯の香高く 波寄せり

    八十枝

  • 丹念に みがく歯のある 八十路春

    モトヱ

令和4年3月の句

  • コロナ禍の 前から巣ごもり 続いてる

    千鶴子

  • 老いの日は 趣味起して 雪絵画

    喜代子

  • 給付金 マスクワクチン 感謝して

    ヨネ

  • 捨て難き 母の手造り 雛人形

    宣男

  • 薄氷や 嵩を増したる 長流川

    淳二

  • 大寒の 心癒さる 茶の香り

    モトヱ

  • 山里の ふるさと恋し 春の朝

    八十枝

  • 寒暖の 綱引き今朝の 余寒かな

    り子

  • 有珠の山 雲を脱ぎすて 春日浴ぶ

    日出子

  • 隣人の 日々の雪掻き 感謝せり

    榮子

令和4年2月の句

  • 毎日が 食事が仕事 雪の朝

    喜代子

  • 屋根の雪 したたり氷柱 伸ばしけり

    亮子

  • 押車 支えとなりて 友の冬 

    ヨネ

  • 幸せと 想ふ幸せ 年新た

    宣男

  • 通学の ストーブ列車 するめの香

    淳二

  • 終息の 幸せ願う 恵方巻

    モトヱ

  • 川岸の 朝日に光る 氷柱かな

    八十枝

  • 血圧の 折れ線グラフ 寒に入る

    り子

  • 恙無く 二月の過ぐる 早さかな

    日出子

  • 里山や 冬青空を 背負う如

    榮子

令和4年1月の句

  • 漆黒の 闇に響くや  冬花火

    榮子

  • 初春の テレビ挨拶 ビックボス

    ヨネ

  • 屋根の雪 したたり氷柱 伸ばしけり

    亮子

  • 巣籠りの 心癒さる 柚子湯かな

    宣男

  • あご沈め われもふわふわ 柚子湯かな

    淳二

  • 遠山の 夕日に映える 雪景色

    モトヱ

  • 足腰に 寒さこたえる 歳となり

    喜代子

  • 雪国に 住んでしみじみ 人の恩

    り子

  • 初化粧 紅引きなほす 手の震え

    日出子

令和3年12月の句

  • 着ぶくれて 孫の手をかり 散歩する

    八十枝

  • カレンダー 記してのぞくや 除夜の鐘

    ヨネ

  • 廃屋の 雪に埋もれし かまど跡

    宣男

  • 浮かびたる 句想消し飛ぶ 嚏かな

    淳二

  • 振り返る こと多き年 暮ゆける

    モトヱ

  • おでん鍋 小さくなりゆく 暮しかな

    り子

  • 良き句座を 重ねし年を 惜しみけり

    日出子

  • 着ぶくれて 日々楽しまん 草の道

    榮子

令和3年11月の句

  • 枯山を 淋しくてらす 夕日かな

    八十枝

  • 未来かけ 岸田首相と 秋の暮れ

    ヨネ

  • 空高し 颯っと一刷 茜雲

    宣男

  • 手術あと 首のしびるる 夜寒かな

    淳二

  • のんびりと 秋陽を浴びて 句三昧

    榮子

  • 焼き芋の 出来た知らせに ただよふ香

    日出子

  • 小鳥来て 一人暮しを 覗きをり

    り子

  • 庭の木も 硬くむすばれ 冬眠す

    モトヱ

令和3年10月の句

  • 温泉の 窓辺に赤い ナナカマド

    千鶴子

  • 老ひたとて 四季を問わずに 秋の暮

    ヨネ

  • 畑にゐて 一服のとき 秋の風

    久子

  • 蝸牛 危うく避けて たたら踏む

    宣男

  • 秋の風 かくも淋しき 葉音かな

    淳二

  • 風遊ぶ 逃げる落葉に 追う落葉

    モトヱ

  • 久しぶり マスクはずれて 笑顔出す

    八十枝

  • 暗算に つまずく齢 秋の暮れ

    り子

  • 真っ赤っ赤 国道沿いの 林檎園

    日出子

  • 隣より 秋刀魚の匂い 堪能す

    榮子

令和3年9月の句

  • トイレなく 散歩途中で きりあげる

    千鶴子

  • 天高し 白線残し 飛行機雲へ

    ヨネ

  • 支え合ふ 秋茄子もてる 老夫婦

    久子

  • 夕膳の 薄切り西瓜 一口に

    宣男

  • 息切れし 散歩の前を バッタ跳ぶ

    淳二

  • ひまわりの 満面笑みに 朝日差す

    モトヱ

  • コロナ禍の 心を癒す 秋桜

    八十枝

  • デザートと CD楽しむ 夜長かな

    り子

  • 馬鈴薯の 主食時代を 子に話す

    日出子

  • 名の知らぬ 花にさそわれ 秋野行く

    榮子

令和3年8月の句

  • 真夏日や 何もしなくて 良い身分

    千鶴子

  • 山道に あかくろ落ちて 桜の実

    はるみ

  • 夏野菜 隣三軒 おすそ分け

    久子

  • 公園の 池涸れ果てて 日照草

    宣男

  • 感動の 涙いくたび 夏季五輪

    淳二

  • 峠路の 絶景を消す 夏の霧

    日出子

  • 庭の花 真珠で飾る 朝の露

    モトヱ

  • 万緑の 中にうずもる 里の家

    八十枝

  • あぢさいの 毬や端より 色を得て

    り子

  • 声出して かぞえて歩く 夏の道

    ヨネ

  • 蛍火や 久々吾子の 里帰り

    榮子

令和3年7月の句

  • 芍薬の つぼみ黒々  蟻ランド

    榮子

  • 陰干しの 現の証拠の 父偲ぶ

    はるみ

  • 競い合ふ 夏のグランド グータッチ

    久子

  • 父の日や ほどほどにねと 酒届く

    宣男

  • ワクチンを 済ませて盆の 寺参り

    淳二

  • 日々違う ほほをなで行く 初夏の風

    モトヱ

  • 生きること ようやく楽し 老の夏

    八十枝

  • 星の出て 蛙合戦 始まりぬ

    り子

  • 里はいま 馬鈴薯の花の 大地なり

    日出子

令和3年6月の句

  • 華やかに 一夜かぎりの 月見草

    はるみ

  • 打ち上げの 花火も中止 闇の湖

    久子

  • 地に臥せし 寝桜強し 命咲く

    宣男

  • 春の川 見るため橋を 渡るなり

    淳二

  • 風呼んで 桜舞い散る 昼下がり

    モトヱ

  • 花曇り 納屋に出を待つ 耕運機

    り子

  • 夏きざす 住めば都と なりし村

    日出子

  • 廃屋の なみだの如し 夕時雨

    榮子

令和3年5月の句

  • 永遠に 吾子の微笑み 黄たんぽぽ

    榮子

  • 梅咲くや 湖にくっきり 逆さ富士

    和雄

  • 待ちに待ち 鍬ふる夫に 夏きざす汁

    久子

  • 挨拶は 四十五度で 新社員

    宣男

  • 春ともし 寝るにはすこし 早すぎて

    淳二

  • 解け残る 雪に小さき くつの跡 

    モトヱ

  • 春立ちて 崩れし土手に 草深く

    八十枝

  • 石ころを よけて草の芽 立ちあがり

    り子

  • 母の日や 生きて苦楽を さらに知る

    日出子

令和3年4月の句

  • 食べて知る 入れ歯なかった 口の中

    千鶴子

  • アネモネの 一番先に 庭飾り

    はるみ

  • 一病に 長寿を願ふ 浅蜊汁

    久子

  • 蕗味噌や 遠い昭和の 母の味

    宣男

  • 春浅し ピッと検温 朝餉かな

    淳二

  • 春日差す ビニールハウス 農の城

    モトヱ

  • 山ひだの 残雪照らす 朝の日よ

    八十枝

  • 身の内の どこかが軋む 春の風邪

    り子

  • 春寒や ベストを着てる 散歩犬

    日出子

  • ふっくらと 微笑む如し 蕗の薹

    榮子

令和3年3月の句

  • 近道をして 春泥に 阻まれて苦

    ウメ子

  • 里山の 蕾かたきの 桜待ち

    はるみ

  • 冬山の 沈む夕日の 美しさ

    久子

  • 春待ちて 今日のひと日を 宝とす

    宣男

  • 味噌汁の 滑子啜れば あたたかし

    淳二

  • 思い出が 行きつもどりつ 冬を越す

    モトヱ

  • 雪囲い そっとのぞきし 花芽吹き

    八十枝

  • あのあれで 通じる会話 日向ぼこ

    り子

  • 歳なりに 体調保つ 朝寝かな

    日出子

  • ひな祭り 心配のたね 二つ三つ

    榮子

令和3年2月の句

  • 雪の夜 俳句作りに 四苦八苦

    ウメ子

  • いつの間に 我と思へぬ 木の葉髪

    はるみ

  • 冬三カ月 細き光りの 団地窓

    久子

  • コロナ外 力一杯 豆を撒く

    宣男

  • 霏霏として 雪が降るなり 遊歩道

    淳二

  • きしきしと 足音高き 寒の朝

    八十枝

  • 母の年 何時しか越えし 年明ける

    ヨネ

  • 辛抱の 二字ふところに 去年今年

    り子

  • 検温に ひとひの安堵 寒明ける

    日出子

  • 南東を 確と見上げて 恵方食む

    榮子

令和3年1月の句

  • 初日浴び 見えぬコロナに 怯えつつ

    ウメ子

  • 蕪村忌の 京の土産の 画美し

    はるみ

  • 病む友の 回復うれし お正月

    久子

  • 元日や 日のあたりたる ケアハウス

    宣男

  • 愚痴をいふ 相手のいない 年の暮

    淳二

  • 何事も 時世にまかせ 大晦日

    日出子

令和2年12月の句

  • 善き事も 悪しきも全て 除夜の鐘

    ウメ子

  • 思い出の 安芸の宮島 牡蠣うどん

    はるみ

  • 冬空の 宇宙ロケット 夢あふる

    久子

  • 風呂吹きを 千切り千切りて 酒を酌む

    宣男

  • 咳ひとつ 夢のごとくに 月日過ぐ

    淳二

  • 若者の 減りゆく村や 山眠る

    日出子

  • コロナ戦 自粛疲れの 年の暮れ

    モトヱ

  • 晴々と 山の気色は 冬の花

    八十枝

  • 小春日や 犬のほほんと 大欠伸

    り子

  • コロナない 早くこいこい お正月

    和雄

  • いただきに 冬帝どっと 鎮座せり

    榮子

令和2年11月の句

  • 大根はね 寒い時には 煮物だよ

    ウメ子

  • 秋深し 落葉松林 黄金敷き

    はるみ

  • えぞ松に 初雪のこす 一日かな

    久子

  • 紅葉に 抱かれて眠る 廃校舎

    宣男

  • ひからびし みみずの骸 暮の秋

    淳二

  • 秋の夜 浮んだ名句 覚めて消え

    モトヱ

  • 初雪に 野山こがした 落葉ちる

    てい

  • よわきな日 考えすぎて 秋の暮

    り子

  • 転ばじと 歩く足元 草紅葉

    日出子

  • 潺々と 淋しく流る 秋の川

    榮子

令和2年10月の句

  • 山里に 移り住みにし 秋早し

    はるみ

  • 空蝉や 共に詠いし 友逝きぬ

    宣男

  • 藷掘るや 空を飛びゆく ヘリコプター

    淳二

  • 逝く秋や 名句を遺し 旅立てり

    日出子

  • 名月に 心まるくと 願いつつ

    モトヱ

  • 故郷に 核のごみ場か 身に入むや

    り子

  • まかないの 徳舜瞥山 秋闌ける

    榮子

  • バイキング 人気の行列 ジャガバター

    ウメ子

令和2年9月の句

  • 嫁姑 共に呼ばれて 敬老会

    ウメ子

  • むらさきの 麗し怪し とりかぶと

    はるみ

  • 食細く スリムとなりし 残暑かな

    久子

  • カラオケ会 小さな輪になり 盆踊り

    宣男

  • とどまれば 身にまとひつく 夏の蝶

    淳二

  • いつもより 遠目のききて 今朝の秋

    日出子

  • ひまわりが 笑顔で迎える 通院日

    モトヱ

  • 走りそば 大滝そばの 暖簾あり

    てい

  • 秋の雲 高く積まれし 草ロール

    り子

  • あちこちに 紅葉時季が 見えて来た

    和雄

  • 雑踏の 人肌近し 秋深し

    榮子

令和2年8月の句

  • 思ひ出は 遠く昭和の 敗戦忌

    ウメ子

  • 夏霧や 三保松原 羽衣の

    はるみ

  • 燕の子 はやひるがへり 舞いはじむ

    久子

  • コロナ禍が 世界を変える 夏の陣

    宣男

  • 夏豪雨 意思ある如く 奔流す

    淳二

  • 手作りの 団扇に暫し 憩いけり

    日出子

  • バスを待つ 合歓の花咲く 雨の中

    てい

  • 紫陽花の 気ままに咲ける 散歩道

    モトヱ

  • 野外食 カラスの親子 覗き込み

    ヨネ

  • 雨音に 五体ほぐるる 朝寝かな

    り子

  • うなぎ丼 スタミナつきの 誕生会

    和雄

  • 夏の里山 み仏の如 鎮座せり

    榮子

令和2年7月の句

  • 起きぬけの 身にしみじみと 梅雨寒し

    和雄

  • カーテンを開けるたび増す 夏息吹き

    モトヱ

  • 今年こそ 今年こそはと 梅を干す

    ウメ子

  • 散策の 林の中の 蝉時雨

    はるみ

  • 長雨に 負けずして咲く 七変化

    ヨネ

  • 夏草に 疼く思ひを 洩らしけり

    淳二

  • 軒貸して いつも見上げる 夏つばめ

    り子

  • 散る桜 杣道覆い 雨過ぎる

    宣男

  • 梅雨寒し コートの衿たて バスを待つ

    てい

  • 夏蕨 たっぷりえぐみ 旨しかな

    榮子

  • コロナ過や 友とハグする 夏の夢

    久子

  • なめらかに 白玉通る 喉仏

    日出子

令和2年6月の句

  • 人情の 筍飯に ほほゆるむ

    てい

  • 耕して 土の香日の 香風新た

    り子

  • いつの世も 身ほとりの幸 蕗蕨

    榮子

  • 満開の 寝ざくら里の 自慢とす

    ヨネ

  • 豊かなる 蝦夷山桜 枝ゆらす

    淳二

  • 車窓より 右に左に さくら狩り

    日出子

  • 歳重ね 苦労も今は 花と見ゆ

    モトヱ

  • せせらぎを 所狭しと 水芭蕉

    宣男

  • 明易し 巨船あまりに 近くあり

    喜司子

  • 廃校の 硝子に映る 散り桜

    久子

  • アカシアの 花房ゆれて 香漂ふ

    はるみ

  • 初郭公 ふた声鳴いて 遠ざかり

    ウメ子

  • あちこちの 山と丘にも 新緑が

    和雄

令和2年5月の句

  • 春の庭 時を刻んで 咲いて行く

    モトヱ

  • 花見どき コロナウイルス じゃまをする

    和雄

  • サンダルの よく似合女 バスにのる

    てい

  • 母と子が 抱き合うように 水芭蕉

    宣男

  • 花の宴 酌めば軍歌を うたふ夫

    喜司子

  • 幸せの 五月生れで 長生きで

    ウメ子

  • 山の道 紅くそまりし 山桜

    はるみ

  • コロ悩む 自粛しかない 令和春

    ヨネ

  • 独りには ひとりの疲れ 春眠し

    日出子

  • 春愁や 部屋から見ゆる 停留所

    淳二

  • あおあおと 捨葱春を 連れ来たり

    榮子

  • 疫病の 嘆きに桜 凛と咲く

    り子

令和2年4月の句

  • 春日和 一句の中に ドラマあり

    モトヱ

  • かわいいね 周り残雪 クロッカス

    和雄

  • 旬の味 夕餉の美味み 干鰈

    てい

  • 蕗の薹の 天ぷら自慢 山の宿

    宣男

  • 愛蔵書 ならべ替えして 春隣 

    喜司子

  • ふる里の 香りを込めし よもぎ餅

    ウメ子

  • 麗かや 洞爺湖面に 富士映える

    はるみ

  • 行く春や 主婦と言う座の 老の道

    ヨネ

  • 春の日や 安易に解けぬ 脳トレイ

    日出子

  • 春場所や 行司の声の 透き通り

    淳 二

  • 苦も楽も 遠い思い出 山笑う

    榮子

  • 外出自粛 読書三昧 春の雪

    り子

令和2年3月の句

  • 春光や 杓文字土産で 帰路に着く

    はるみ

  • 来てはすぐ またひき返す 春遠し

    モトヱ

  • 知らぬ子が あいさつくれし 春隣

    り子

  • 春浅し 花麩の浮かぶ すまし汁

    日出子

  • 街に出て みるか雪どけ 見る為に

    喜司子

  • 迷わずに 農高受験 六代目

    ウメ子

  • 紙雛の 愛嬌笑顔に 癒されて

    てい

  • 春の陽を 余さず浴びて 晩学す番

    榮子

  • 春近し コロナウイルス とんで行け

    和雄

  • 国挙げて ウイルス遮断 春を待つ

    宣男

  • クアリゾート 百寿を祝う 令和の春

    ヨネ

令和2年2月の句

  • 枯尾花 心かよおて 満開

    モトヱ

  • 点々と 足跡続く 雪の原

    宣男

  • 捨てがたき 服を繕ぎ 春を待つ

    日出子

  • 裸木となりて 川面の ひろさかな 

    喜司子

  • お汁粉に 笑顔がならぶ レストラン

    ウメ子

  • 見上げれば 毬ポンポコリ 奇正木の

    はるみ

  • 美しき 冬三日月に 魅了せり

    てい

  • 大空の 彼方に潜む 春一番

    榮子

  • スコップを 支へに休み 雪を掻く

    り子

  • 初詣 母の願ひを 子もまねし

    ヨネ

令和2年1月の句

  • 初暦 こんな沢山 明日がある

    モトヱ

  • 餅をつく あいどり上手な 妻のゐて

    和雄

  • サプライズ サンタは我れ等 施設長

    宣男

  • 添書きは 転ばぬようと 賀状くる

    日出子

  • 木々透けし 残る木の葉も 散り急ぐ

    喜司子

  • 女の子 跣ちぢめて 寒稽こ

    ウメ子

  • 六花 ガラスに描く 美くしさ

    はるみ

  • ずわい蟹 卓に盛上げ みな無口

    光子

  • 初場所や 清めの塩に 勝負かけ

    てい

  • 湯の里と 名付けて住家 年明ける

    ヨネ

  • ひたひたと 三寒四温 背から

    榮子

  • 荒ぶ夜や 毛布こころを 包み込む

    り子

令和元年12月の句

  • 振り向かず 今を生き抜く 老の冬

    モトヱ

  • 冬の朝 おくやみ欄が 気にかかる

    和雄

  • 除雪車も ひと息入れし 昼げ時

    宣男

  • 着膨れて 事故車を囲む 警察官

    日出子

  • 新米を 炊きましたよと 供へけり

    喜司子

  • 汁粉好き みんなで食べよ 輪になって

    ウメ子

  • 積る雪 山々静か 水墨画

    はるみ

  • 年の内 朝鮮漬は 友の作

    光子

  • 善光寺 まばゆき銀杏 落葉かな

    てい

  • 移り来て 卒寿と令和の 大晦日

    ヨネ

  • ふる里の 日本一坂 神の留守

    榮子

  • 湯気の中 肉さがしたる 寄せ鍋や

    り子

令和元年11月の句

  • 絶景の 大滝の秋 絵のやうに

    モトヱ

  • 紅葉期 俳句良く出る 季節なり

    和雄

  • 紅葉の 散り尽くしてや 白樺林

    宣男

  • 裏山の 色彩失せし 冬間近

    日出子

  • 病む人の 形身となりぬ 枯尾花

    喜司子

  • 霜降に 当りし花も 満開に

    ウメ子

  • ベランダで 紅葉を眺め 癒さるる

    はるみ

  • 文化の日 胆振気象の 学びあり

    光子

  • 秋の蠅 日向ぼっこの 肩ねらう

    てい

  • 我に似て 天は気まぐれ 秋の空

    榮子

  • もの言えば 少しはゆるむ 寒さかな

    り子

令和元年10月の句

  • 咲く花に そっとささやく 秋の風

    モトヱ

  • 狭き世を ほどほどに生き 冬支度

    宣男

  • 年々の 体力低下 冬支度

    日出子

  • 秋爽の 木椅子に 杖をやすめけり

    喜司子

  • 吾亦紅 唄も大好き 花も好き

    ウメ子

  • 冬支度 好みの鉢へ 抱へ植へ

    光子

  • 鮮やかな 雑木もみじに 見入るなり

    てい

  • 秋草や 身の丈ほどの 志

    榮子

  • しみじみと 湯ぶねにひたる 夜寒かな

    り子

  • 幸せと 孤独の深夜 青りんご

    ヨネ

令和元年9月の句

  • 車椅子 媼翁の 盆踊り

    宣男

  • 嬉しさと 寂しさのあり 敬老会

    日出子

  • 学問の 足らざるを知る 夜長かな

    喜司子

  • 野も里も 紅葉の季節 おとずれり

    和雄

  • 青紫蘇の 摘みて土産の みそ作り

    光子

  • コスモスの 揺れるを眺め 子もまねる

    てい

  • 我が牛歩 夢の中にて 秋遍路

    榮子

  • 炎天の 街ふり切って 救急車

    り子

  • 天高く 旬の味覚は 道の駅

    ヨネ

令和元年8月の句

  • 羊蹄の 美にも劣らぬ イモの華

    モトヱ

  • 病床の 妻にせがまれ 団扇風

    宣男

  • 一列に 並ぶ先には かき氷

    日出子

  • サングラス 老いと若さの 二刀流

    喜司子

  • 一斉に 畑のひまわり 日に向ふ

    光子

  • 青葉闇 抜けて湖畔の 波にあう

    てい

  • 原爆忌 悲しみ永久に 忘れまじ

    榮子

  • 手花火に 親も幼き 顔となり

    り子

  • 伊達藩の 先人に感謝 武者祭

    ヨネ

令和元年7月の句

  • アスファルトを 突いて顔出す 月見草

    モトヱ

  • 何役も こなし過疎地の 運動会

    宣男

  • 一望の 青田に風の 生まれけり

    日出子

  • 信ずれば 夏つばめ 海越えて来し

    喜司子

  • 夏寒し 帽子も服も 決めかねて

    和雄

  • 村雨橋 青葦ゆらす かそき風

    光子

  • 雨にぬれ アカシアの花 匂いけり

    てい

  • ででむしや どこへ行くやら 雨の中

    榮子

  • 陽のにほい 持ち帰りくる 夏帽子

    り子

  • 雨上がり カッコウ一声 山静か

    ヨネ

令和元年6月の句

  • 姥桜 みなそれなりに 花開く

    モトヱ

  • 満開の 菊子桜や 里自慢

    宣男

  • 名簿から ひとり名の消え 青葉冷え

    日出子

  • 神殿の 春草のびて 風情増す

    喜司子

  • 雨上がり 一きわきれいな 芝ざくら

    和雄

  • 白黄色蝶の 飛び交う 狭庭かな

    タミ

  • 夏霧に 包まれ尽きし 四方の山

    光子

  • 薫風や 旅情濃くして 胸はずむ

    てい

  • 蕗蕨 命永らう 夕餉かな

    榮子

  • 野良着ほど 似合うものなし 更衣

    り子

  • 万緑や 命をかけた マイホーム

    ヨネ

令和元年5月の句

  • 春の宴 苦み苦手は 舌で知り

    モトヱ

  • 水芭蕉 まだかまだかと 散歩道

    宣男

  • せせらぎの 音の触れゆく 水芭蕉

    日出子

  • 陽春や 友との会話 増しにけり

    喜司子

  • 待ちをりし 日帰り旅の 芝さくら

    和雄

  • 初鰹 米寿祝って 労わって

    ウメ子

  • 伊達藩の 今昔忍ぶ 八重桜

    光子

  • 葱坊主 行き交う人を 見てござるて

    榮子

  • 波青く 湖畔ドライブ 夏隣り

    てい

  • 捨て苗に 大地を掴む 力あり

    り子

  • 三元号 生きて感謝の さくら餅

    ヨネ

平成31年4月の句

  • 倒木も 力強しと やなぎ咲く

    モトヱ

  • じいちゃんが 居るから来るの 春休

    宣男

  • パソコンに 向かへばなぜか 春眠し

    日出子

  • 添えらるる 手の優しさや 凍てる道

    喜司子

  • 新しき 年号祝ふ 福寿草

    和雄

  • 難関を 見事突破し 入学す

    ウメ子

  • さくら咲く 土産の包み うつくしき

    光子

  • 春あかつき 今日の友情を 賜りて

    榮子

  • ひなあられ 老友よび語る 茶菓子とす

    てい

  • もう歳と 玉葱の苗 買い求め

    り子

  • 福寿草 みることもなく 夫逝けり

    ヨネ

平成31年3月の句

  • 刻々と 芽吹き始むる 大地かな

    榮子

  • どこからも 春風の来る 新時代

    光子

  • 雪とけて 一番咲きの ふきのとう

    和雄

  • 手作りの ぼた餅供え 春彼岸

    ウメ子

  • 英会話 ひとこと言えて あたたかし

    日出子

  • 考へに 考へぬきて 息白し

    喜司子

  • 良き目覚め 昇る春日に 手を合わせ

    ヨネ

  • 寛ぐは 妻が残しし ちゃんちゃんこ

    宣男

  • 春の雲 居去るがままに 消えてゆく

    てい

  • 値札みて そっと戻すや 冬帽子

    り子

  • 冬木の芽 力たくわえ 命つぐ

    モトヱ

平成31年2月の句

  • 冬の朝 薬缶の湯気の 勇ましき

    り子

  • 餅搗きや それぞれ違ふ 杵の音

    日出子

  • 葉牡丹の 客をもてなす 美しさ

    てい

  • ペッタンコ 早くこいこい お正月

    和雄

  • 正月や 無論無休の 犬散歩

    喜司子

  • 頂に やさしく触るる 冬の星

    榮子

  • 細雪 八十路のデートに 華そえる

    モトヱ

  • 名物に なって国際 雪合戦

    ウメ子

  • 地吹雪や バス待つ人の 見え隠れ

    宣男

  • 降雪も 老いの身叶い 湯のけむり

    ヨネ

  • 雪上を パークコースと 競ふ我

    光子

平成31年1月の句

  • 初日記 余白にあふる 一ページ

    日出子

  • 隔てなく 大地はおお寒 小寒かな

    榮子

  • 人情に 支えられての 年惜しむ

    てい

  • 冷や汗も やさしさの中 初笑い

    玲子

  • 大晦日 金では買えぬ 家族の和

    モトヱ

  • お正月 外の気温は 別世界

    和雄

  • 太文字は 健やか伝ふ 賀状かな

    光子

  • ストーブを 囲んで猫と 転た寝す

    り子

  • 添書は 今年も元気 初湯ぶね

    喜司子

  • 雪の道 散歩の二人 微笑まし

    ウメ子

  • 頼もしき 除雪車の音 夢の中

    宣男

平成30年12月の句

  • 冬に入る 喪中葉書 うら寂し

    り子

  • コンサート 行く勤労 感謝の日

    光子

  • またひとつ 秋の夜空に 友さがす

    モトヱ

  • 鍋焼の 匂いでのれん くぐり入る

    てい

  • 冬ごもり オセロ覚えて 張り合って

    ウメ子

  • 大掃除 開ける扉は 二年振り

    玲子

  • 音も無く 白帝さ迷う 里の朝

    榮子

  • 日の出より 大きな没り日 冬に入る

    喜司子

  • 角巻を 引きずり歩く 母の夢

    日出子

  • 可愛らし 靴跡続く 雪の道

    宣男

平成30年11月の句

  • 佇めば 紅葉かつ散る 三階滝

    り子

  • 短パンの 筋肉ふくらめ 枯葉道

    光子

  • 赤トンボ こわれぬように 草むらへ

    モトヱ

  • 旅先の 秋を箱詰め みやげなりに

    てい

  • 四世代 家族で祝ふ 七五三

    ウメ子

  • 冬気配 大滝村の 風物詞

    和雄

  • 足裏から じわりじわりと 夜寒かな

    榮子

  • 秋めくや 柱時計の 音の澄み

    喜司子

  • 熱々の 鮭の馳走に アルミ解く

    日出子

  • 風もなく 散るはひと葉の 花もみじ

    宣男

平成30年10月の句

  • 茸飯 小さき暮らし 満たさるる

    り子

  • 秋夕焼 うつし世染めし 吾も染むる

    光子

  • 雨風に 耐えて鮮やか 萩咲けり

    モトヱ

  • 一人居に 灯火親しく 意のままに

    てい

  • 天空に 何か良き事 ある秋ぞ

    榮子

  • コスモスの あと幾日の 彩にさく

    喜司子

  • 中秋の 蝦夷地を揺する 目覚かな

    日出子

  • 停電の 村ひっそりと 朝寒し

    宣男

平成30年9月の句

  • 秋風や 米寿の年の 集大成

    和雄

  • 祭り気分 バンド飛び出す 誕生会

    宣男

  • 身に入むや 北斎の波 今も濃く

    光子

  • 野草にも 秋日差し分け へだてなく

    モトヱ

  • 新そばを 昔なじみと 啜りけり

    てい

  • 紅指して 待ちくたびれて 一人秋

    榮子

  • 望郷の 想ひいえぬや 終戦日

    喜司子

  • しあわせと 思ふ夜長や 日記書

    日出子

  • くほどに 愛でるとなりの 秋桜

    り子

平成30年8月の句

  • 初なすび 刺やわらかき 朝の畑

    光子

  • 引き返し 又おしゃべりの 夕涼み

    宣男

  • 蟻の城 またいで歩く 散歩道

    モトヱ

  • 黄昏れて ゆく紫陽花の しずかなり

    てい

  • 野も山も 色も気儘に 風の秋

    榮子

  • 連山の 夕映えつなぐ 夏の雲

    喜司子

  • お代わりは 抹茶の香り かき氷

    日出子

  • 手抜きには あらず夕餉 の冷奴

    り子

平成30年7月の句

  • 緑陰を ふたりの媼 去りがたし

    り子

  • 風に耐え 茎しなやかに 牡丹咲く

    日出子

  • 腹八分 九分にて生きて 竹の秋

    喜司子

  • 五月雨や 惑う心に 添う如し

    榮子

  • 青林檎 酸味なつかし 里の味

    てい

  • 艶やかな 花のジュウタン 絵のように

    モトヱ

  • プレゼント 貰う父の日 父想ふ

    宣男

平成30年6月の句

  • 切株に 座せば蚯蚓 池の辺りに

    り子

  • 山独活の 香り客呼び 道の駅

    日出子

  • 今生の 花かも知れず 愛しめり

    喜司子

  • ポケットに 諸事情詰めて 花の宴

    榮子

  • 青梅酒 飲む楽しみの 琥珀色

    てい

  • 山並みの 新緑深き ぬける空

    モトヱ

  • 抱き合って 百四十年 菊子桜

    宣男

平成30年5月の句

  • 戦士跡 のごと倒木の 五月闇

    光子

  • 手のひらに 磯の香りや 春の海

    り子

  • 種植へて 余生の心 膨らみぬ

    日出子

  • 番鳥 仲むつまじく 春の暮

    榮子

  • 菜園の ハウスに白き 花いちご

    てい

  • 住みついた 里の人皆 あたたかく

    京子

  • せせらぎに 肩寄せ合って 水芭蕉

    宣男

  • あの山に 父母の在します 朝桜

    喜司子

平成30年4月の句

  • 欠航の 続く空港 寒もどる

    喜司子

  • 仲直り 口の解れる 菜花漬

    り子

  • うがいして 孫の世話うけ 春の風邪

    てい

  • 旅心 誘ふ弥生の 空碧し

    日出子

  • 猫柳 流れのままの 橋の下

    光子

  • 春うらら 窓辺に寄りて 爪を切る

    宣男

  • 轟々と 川底浚う 雪の果

    榮子

平成30年3月の句

  • 束の間の 栄華の宴 雪の像

    喜司子

  • 古希過ぎて 雛の宴や ほのぼのと

    り子

  • 雛菓子の 緋色を飾り 慈しむ

    てい

  • 吹雪く夜の 祈りむなしく 暗闇に

    日出子

  • 春侍や 一樹のやどり木 重なりし

    光子

  • 紅の裳裾 艶めく ひな人形

    宣男

  • 存らえて 行きつ戻りつ 春時雨

    榮子

平成30年2月の句

  • 竹林に すっぽりかぶる 冬帽子

    京子

  • 冬の月 たゞ 煌々と 森の上

    喜司子

  • 寒空や 愛犬誘い 息はづむ

    り子

  • 冴ゆる夜に 空に一つの 星光る

    てい

  • 立春の 風入れラジオ 体操す

    日出子

  • 峠越へ 遠目に二頭 冬の鹿

    光子

  • ひと搗きが 腰に重たし 餅搗き会

    宣男

  • 村民と なりて冬帝 居座れり

    栄子

平成30年1月の句

  • 行く年の 硯と筆を 揃えけり

    喜司子

  • 雪原の 足跡アート 北狐

    り子

  • 朝の駅 すがしさ保つ 福寿草

    てい

  • 繭玉の 賑やかに垂れ 静もる夜

    日出子

  • 山間の 闇の奥より 虎落笛

    光子

  • シャンシャンと 明るく締めて 年送る

    宣男

  • 里山へ 御一行様 寒雀

    栄子

平成29年12月の句

  • 冷ゆる夜は 大白鳥に 抱かれたし

    喜司子

  • 冬支度 箪笥のせいり 遅れがち

    京子

  • 珈琲を おいしく飲める 冬に入り

    てい

  • なまけ癖 気を引締めて 賀状書く

    日出子

  • クリスマス リースに願ふ 和の暮し

    光子

  • 冬探し 人生ちょぼちょぼ 八十年

    宣男

  • 北風や 夜更けと共に 哭きはじむ

    栄子

平成29年11月の句

  • 風に舞ひ 川面に流る 紅葉かな

    喜司子

  • 七五三 児の手に余る 千歳飴

    てい

  • ほどのよき 脂のりたる 秋刀魚かな

    日出子

  • 風邪癒へし 枯葉からませ 踏むペダル

    光子

  • 不漁響き 秋刀魚小振りの 味覚祭

    宣男

  • 里山の 漆紅葉の 燃ゆる如

    栄子

平成29年10月の句

  • 秋茄子の小さけれども深き紺

    喜司子

  • 雨上がり溜り水面にうつる月

    杉義

  • 稲妻の鋭く走る夜も眠り

    てい

  • 幾度も無月の窓に佇ずめり

    日出子

  • 湯の宿へ酌み合ふ同期吾亦紅

    光子

  • 秋日和洞爺湖ぐるり完歩証

    宣男

  • 見わたすかぎりきらきらきらと朝の露

    栄子

平成29年9月の句

  • 歳時記を 捲るよろこび 秋の夜

    喜司子

  • この夏は 北国さえも 三十度

    杉義

  • 参道や 読経静かに 秋彼岸

    てい

  • 唐黍の 皮むき皆が 競うごと

    日出子

  • 村まつり 大人の声も あふれけり

    光子

  • あとひと掻き 孫に見栄張り バタフライ

    宣男

  • 懸命に のぼる朝顔 なげ育ち

    栄子

平成29年8月の句

  • 風吹けば 母の匂ひの ライラック

    喜司子

  • 炎天下 負けじと 咲きし百合の花

    杉義

  • ふるさとの 季節の出はじめ 青りんご

    てい

  • 帰郷する 師に感謝の 扇かな

    日出子

  • 夏休み 声の冴す 山の朝

    光子

  • 大の字に なって寝ている 夏座敷

    京子

  • ビニハウス はち切れそうに 熟れトマト

    宣男

  • 忽と出る 草かき分けて ジキタリス

    栄子

平成29年7月の句

  • 囀や 世俗の音を かき消せり

    喜司子

  • 万緑や 遠目の山野 盛り上がり

    光子

  • 白牡丹 咲かせて ホーム明るくす

    日出子

  • 思いっきり 雨雲蹴って 五月晴

    栄子

  • 桜桃の 艶あり美味に 笑みの顔

    てい

  • 風凍る 夏山裾に 友は逝く

    宣男

平成29年6月の句

  • はなむけは 無事であれよと 雁帰る

    喜司子

  • 三色に 傾斜地染めし 芝桜

    日出子

  • 夕端居 昔語りに 刻がすぎ

    てい

  • 芝桜 にわか雨にて 冴えて咲く

    和雄

  • 新緑の 香りよせくる 夜明けかな

    京子

  • 媼1人 桜薬の降る 湯への道

    宣男

平成29年5月の句

  • 天窓に 淡く懸かるや 春の月

    喜司子

  • 母の日の ありて母への 思いかな

    京子

  • にょきにょきと 命の芽ばえ 水芭蕉

    宣男

  • 一雨の 後の輝き さくら道

    日出子

  • 残雪や 美笛峠の 風やさしい

    てい

  • 天を指す 黄金の光 福寿草

    杉義

平成29年4月の句

  • 春の海 えくぼのやうな 渦一つ

    喜司子

  • 春場所や 涙の賜杯 新横綱

    宣男

  • 春雪に 今日の予定 狂わさる

    日出子

  • 風船や なびいて空に 消えてゆく

    てい

  • 渡り鳥 夕日に戻る 北の空

    杉義





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